社長ブログ

社長病

(2005年10月26日)

こおろぎ

8月12日から一週間、福島に半断食に行ってきました。
私は、子どもの頃、家が貧しかったため、ほとんど外食をしたことがありませんでした。社会人になって外食するようになっても、「何を食べたいか」ではなく、「お財布の中身」で注文を決めていました。そのため、会社を始めたときも、好きなものをお腹一杯食べられるようになることが私の一番の夢でした。
そんな私が断食に行くことにしたのは、ここ数年、体質が変わりだし、「どこか悪いのでは?」と思うほど、身体が重く、何をするのも億劫になってきたからです。私は、以前から一年に一度、自分で断食をしていたのですが、好きなものが食べられ、人から管理されない生活をするうちに、いつの間にか自分で決めたことが出来なくなってきたのです。
私は毎年、私の生き方の指針となっているCL(建設的な生き方)の研修を主催していますが、その中に私のような人を見かけることがあります。人には「ああしたらいい」「こうしたらいい」と指導出来るのに、部下より自分の行動を律することが出来ない人が意外に多いのです。
よく「自由がほしい」と言う人がいますが、もし欲しいものが手に入り、したいことが出来るようになったとき、どれだけの人が自分を律することが出来るでしょう?つい自分に甘くなって、したいことばかりをし、したくないことはしなくなるのが普通ではないでしょうか?
しかし、そうした気分に流された生き方が、自分の人生を蝕んでいくのだと思います。
半断食のときは、一日にお茶碗一杯の玄米と、コップ二杯のお茶、一杯の野菜スープだけで過ごすのですが、よく噛んで食べているせいか不思議なくらいお腹が空きません。それだけの食事で、十分に満ち足り、山道を毎日2時間くらい歩けるのです。
私は、ただダイエットのために断食に行ったのではなく、自分の「社長病」を治しに行ったつもりだったので、断食のオリエンテーションのときに、
(1) 先生の決めたルールを守る(自己流に流されない)
(2) 苦しくても顔や態度に出さない
という二つのルールを決めました。
私が子どもの頃は、欲しくても手に入らない時代でしたが、そのおかげで我慢することや、欲しいものを手に入れるために努力することを身につけられました。しかし、今は手に入るものを我慢しなくてはならない時代です。私のような人間は、よほど気をつけないとしたくないことはせず、自分の好きなことばかりをして、いつかおかしくなると思うのです。
皆さんも、「社長病」には気をつけてください。気づかないうちにけっこう進行しているようですよ!

「社長病」は社長だけが発病する病ではありませんね
イエスマンが自分の周りに多い人や人の意見を聞かない人など、耳を傾けない人は要注意ですね。

杉井保之氏 「ころおぎ」より

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